Carnet de Poche メモ帳
うれしいニュース、おかしな出来事、あれこれ
もともと妄想力で生きているような者ですが、 車のハンドルを握ると、適度に集中力が分散し、妄想に歯止めがきかなくなるという癖があります。
特に昔、美術館への通勤に使っていた裏道は危なくて、ぼんやりキムタクの愛犬をひきそうになって、 彼と犬をのせて病院に搬送するはめになったことが、何度もありました。

先日も、ちょうどいつもキムタクが飛び出していたあたりで、 ポール・コックスとの仏語一人二役会話で盛り上がっていたところ、 待ち伏せしていた警官に、ぴりぴりぴりーっと笛を鳴らされてしまいました。

はっ、一時停止しなかったって。 いや、したと思うけど、頭がフランス語だったからなあ。 日本語での言い訳がしどろもどろで、罰金7000円。
ちぇっ。そのままフランス語で貫けばよかったのか。 と、姑息な我に返るまで時間がかかってしまいました。
やれやれ、長年のゴールド免許、返上です。(よくぞここまで、か)

その後、ちひろ美術館(茂田井展のイベント打ち合わせ)経由で板橋区立美術館(ポール・コックス取材♪)に行きましたが、 これじゃ交通費が高くつきすぎだよなあ・・と気分悪いので、埋め合わせにポールの原書を7000円弱購入し とりあえずほくほく得した気分になって帰路につきました。 まあ、よし。
あー、暑いとだめ。
けどクーラーもだめ。
昔から夏はだめだめなんです。

毎日こんなに暑いからでしょうか、
「熱い人」と言われました。
ほおっ。びっくりです。
自分はずっと「ぬるい人」だと思ってました。
「冷めた人」とか、言葉を選んで「涼しい人」とか、
時には「あったかい人」とか言われたりもしてきましたが(照れ)
「熱い人」とは・・・しかもだしぬけに続けて数人に言われました。
加齢とともに温暖化?

まあ、絵本に関してだけね、「熱い」らしいんですよ。
なけなしの情熱が漏斗のように、そこにだけ注がれちゃうらしい。
・・・なんてったって「好き」だもんなあ・・・(照れ)

娘からは「薄情な人」と呼ばれてますが。
人としては問題ですね。たぶんに。
乗り切れないかも、と思っていた一週間。
乗り切れてはない、けど、過ぎている。
「時」ってすばらしい。ありがたい。

起きられないときに、効いたもの。たとえば
『ちいさな曲芸師 バーナビー』
バーバラ・クーニー作 末盛千枝子訳 すえもりブックス 2006

うん。わたしはわたしの曲芸を踊りましょうぞ。
と、起きられた。
講演に出かけた。で、一日テンテコマイマイ夜まで踊れた。
ふう。ありがたい。

目覚めの一発は、けっこう絵本を読むな、最近。
読まなきゃいけなくない絵本。
一冊目がハズレたら、もう一冊。
当たる確率、他より意外と高いんだ。

ぱっとヴィヴィッドなのとか、あっけらかんとあほらしいのとか、 その日の気分で、服を選ぶみたいに。
なんて書くと、朝から晩まで絵本バカみたいで、ちょっと気持ち悪いけど、 そうでもないんだよなあ。
でも、もっと絵本バカになりたいと、思い始めてたりはする。
気持ち悪いくらいに(純馬鹿)

・・・

今日の変換ミス
赤い鳥文学賞 → 赤い取り分が苦笑
ははは・・・いかん。つかれている。
今年の五月も終わらんとしています。
展覧会も映画も種々イベントも、ほとんど見過ごす仕事(と昼寝)三昧の日々ですが、 合間を縫って、バイクの二人乗りしたり、夜の公園で滑り台したり、酔って転んで膝から流血したり、 楽しい気分転換もしています。
たまーに、ね。
金曜日、娘がズーラシアに遠足と言う。
おお、これがついに最後の遠足弁当かもね、と、前の晩に
「おべんと、なに入れてほしい?」と聞いたら、
「うさぎりんご入れて」とふざけ半分に言うので、
「やだ、そんなの」と答えて寝た。

でも、翌朝目覚めたら、わたしはどうやら「やる気モード」のスイッチが入っており(もともと夜よりは朝型だからね)、
精魂込めて、タコさんウインナを作ってやった。
無添加の色の悪い粗挽きソーセージに、深めに切り込みを入れて、お湯に入れると、プリプリと、ウネウネと足を反らせながら伸ばしてきて、 色の具合も生々しく、本気でリアルタコ! 我ながら感動の出来!!

起きてきた娘に、
「見てー♪このタコ」と見せびらかしたら、
「ひ〜っ、こわい〜!」と、ひかれてしまった。
そして、
「このブタも、よもや自分がこんなタコになるとは思わなかったろうよ・・・」 と、しみじみと言われた。

たしかに。
(おれ、ここでなにしてんだろ)
と悩ましげなタコさんウィンナにちょっと同情しつつ
(昼まで悩みな)
と、弁当箱にフタをした。

・・・
せつないアニミズムに共感する人には、小熊秀雄の『焼かれた魚』(パロル舎)がおすすめ。 ブログでも紹介しています。

生まれてくる子どもが、自分の親を選べないように、
「傘」も自分の主人を選べない。
(珍しく重厚な話題かと思ったら・・カゲの声)

ここ二ヶ月ばかり、わたしの傘は運命に翻弄されている。
電車で忘れられたかと思ったら、やさしい人に届けられ。
(いっそそのままさらってほしかった・・カサの声)
開いたまま地下鉄の構内に降りて、衆人の注目を浴びたり。
(あんな辱めを受けるくらいなら・・カサの声2)
今は銀座の「月光荘」で、ぽつねんと迎えを待ってる、はず。

で、わたしのもとに生まれてきてしまった子どもはというと、
いつかわたしに食べられるのだと日々怯えて暮らしていたらしい。
小学校6年生くらいまで・・・
ということを、高校3年生になって、夕べ告白した。
そういえば、6年生くらいのとき、おいおいと涙ながらに訴えたことがあったっけ。
「ばかだなあ。こんなに大きくなって、もうちっとも美味しそうじゃないよ」
とわたしに言われ、ちょっと悲しくなりながら、やっと安心したそうだ。

傘にも、子どもにも、
いろんな過去を思い出しては、時々とてもすまないと思う。
ほかにもティーポットとかスリッパとか、心の中で謝りっぱなしなんだけど・・ 最近は特にプリンターくん。ごめんね。

プリンターを慰める歌っていうのを作って、娘といっしょに歌ってます。
「プリンターよー 泣いてもいいよー
 おまえの主人は おまえのことを忘れたよー」
二番もある。
「プリンターよー 泣くんじゃないよー
 主人の娘は おまえのことを知ってるよー」
一番で追い討ちかけといて、二番でほろっ。
書くとばかみたいだけど、歌ってると泣けるのよ。
(末期症状?)

木の芽時。水温む季節。わたしが一年でいちばん落ち込む時期。
仕事も変化が多くって、わさわさする。 思うようにはかどらず、そんなときに限って、パソコンが謀反をおこす。 to-do list のチェック・ボックスは空欄のまま、項目だけがふえてゆく・・・

そう。この“to-do list”ってやつがいけないんじゃないの?
「すべき。すべき。あんたすべきなのにしてないよっ」
って、小言いわれてる気分になるのよ。胃がキリキリ。

で、一計。
“to-do”の前に“want”ってつけてみた。
お、いいじゃん。これなら“したいことリスト”になるよ。
そうか、考えようだよね。もともとしたい仕事しか引き受けてないんだもんね。 したいことなら、今日終わらなくても、明日がたのしみじゃん。
ああ、またできなかった。こんなにふえちゃった。ふっふっふ。あしたやろっと。 いい夢みよっと・・ってな具合。

ここ半月、続けてるんですけどね。
うん。精神状態は、例年になくいい気がします。
ただね、もともとおいしいものは、あとにとっておくタチなのね。
たいやきは当然しっぽからなのね。

で、「みーんなしたいことばっかりだあ」と思って、
増殖するばかりの“want-to-do list”をうっとり眺めつつ、 もったいながって、ちびりちびりと楽しい仕事を味わっているとね・・・
かなり、はた迷惑なことになるみたいです。

ああ、すみませんっ。
なんか妙案ないかなあ。
でも、気分はいいんだよなあ・・・


(*仕事についての新しいお知らせは ブログにも書いてます)
二月第三週覚え書き。
・・・
月曜日。自由が丘〜下北沢の古書店をはしご。文鳥の「つよし」を手にのせられ、硬直。 二十年来の行きつけのカフェの三方を壁で囲まれた隅っこで、買ったばかりの本を開く。 押し寄せる幼児体験。後ろめたいほどの恍惚。(そして帰宅後、夜明けまで仕事)

火曜日。新宿の見晴らしのよいビルで打ち合わせ。経堂で所用を済ませ、夕方から三鷹へ。絵本館構想委員会最終回。市長への提言書提出。 終わりは清々しい始まり。気のおけない打ち上げ、その後二次会。(そして帰宅後、朝まで頭痛)

水曜日。マル秘MDを駅で受け取り、その足で池袋へ。連続講座の第5回目。10時に帰宅、ナマコになって眠る。

木曜日。絵本を山盛り車に積んで、F書店の勉強会へ。MDの余韻で浮ついた運転。うろたえたおしゃべり。深夜都心のひとりドライブは浮遊感。

金曜日。一瞬うとうと・・のはずが目覚めたら遅刻! クレヨンハウスで花梨酒舐めつつ打ち合わせ。巨大な鉱山発掘のような仕事、また。

土曜日。夕刻から表参道へ。ピンポイント・ギャラリーの「スズキコージ イモヅル式物語展」終了間際に駆け込み。生々しい作品群の蠢く空間。 その後ビリケンギャラリーの「飯野和好 面妖画展」へ(28日まで)。赤ワイン含みつつ、てれてれ立ち話。小さな絵を買ってしまう、また。

日曜日。神田・やぶそばで義父母と昼食。白子揚げ、貝柱と菜の花の芥子合え、そば焼酎のそば湯割りなども美味。
帰宅後、娘と二年ぶりにお雛さまを飾る。十五人の澄まし顔の子ども雛、戦中に祖父が買った木彫りのお内裏さま、亡くなった祖母の俳句と折り雛の色紙、指の先に乗るようなお茶道具など。
・・・
ソロモン・グランディの一生より、ずいぶん満ち足りた一週間。でも、もう少し長生きしたいかなあ。 まだまだ結べないほつれ糸じょろじょろぶら下げて、うれしい予感がたぎってる。
茂田井武びじゅつかん「展示室1」の絵、やっと2月になりました。
ブログ「ひと粒のキャラメルを。」にて、「くにくのくにっき」も、ありがたく続けております。
おしごとや家事の合間に、ほっとひといき、ほうっとためいき、ぼーっとしたいとき、どうぞ。
今年も世田谷文学館の文学カレッジが始まりました。
四年目だけど、また新鮮な出会いがうれしい。
絵本と人の関係は知れば知るほど多面体ですねえ・・・

さて講座終了後、開催中の〈花森安治と「暮しの手帖」〉展を見ることができました。
おもしろかったー。そして、なつかしかったー。
わたしは「暮しの手帖」を愛読していた子どもでした。
暇があれば、母の書棚にずらり並んだ物心つく前からのバックナンバーを繰り返し読んでいました(変な子?)。 小学校から高校出る頃まで、そんなことしてたっけな。表紙の絵や写真も、商品テストの記事も、独特の手芸や、コラムも、 ぐさっと印象的な見出しも花森さんの手書き文字といっしょに記憶に残っている・・・ということをあらためて認識しました。

そうそう、たしか若かりし入江末男さんが取材する記事がたまに載っていて、パリのローティーンの女の子がひとりかふたり紹介されるの、 あれ好きだったなあ。 ごく普通の子の日常のさりげない普段着。その子の個性と「好きなもの」のとらえ方、質素で合理的で楽しい感じが、親しげな目を通して伝わってくるの。 今よりパリはずっと遠く、東京には古着屋なんてそんなにない時代。世の中がハマトラにハマっていく中、 わたしは亡くなった祖父のコートを愛用する高校生をしてました。(そしてのちに休学、 パリに行っちゃうのであった・・・)

なんて、展示とは関係ない昔日にも浸ってしまったけど、花森さんの美意識とエディター・シップと時代の空気に、背筋もぴしっとなりますよ。
いろんなお仕事、いろんな世代の人におすすめです。
散歩しようと思うと、雨が降る。花を植えれば、雪が降る。
万事そんな調子の人生を送っておりますが、それでもついてることも、いっぱいあるわけで。
・・・
一昨日、ピンポイント・ギャラリーの荒井良二展では、いきなりやんごとなきライブ・ペインティングに出くわして、びっくりな幸運↑↑
そのあと行ったビリケンギャラリーでは「マブー」(※2/2よりビリケンで個展)の話題で盛り上がり 興奮して作品を衝動買いしてしまった。 お金ないのに
・・・
昨日は、新宿の打ち合わせにぎりぎりで駅に向かったところ、地下鉄がちょうど出るところ。ラッキー と駆け込もうとしたら、 突然男子中学生3人が目の前に立ちはだかり、動転して迂回することができず、「ど・ど・ど・どいてください」と言っているうちに、 ドアが閉まってしまった↓↓
やさしいIさんに遅刻の電話をすると、
「だいじょうぶ。1時間でも待ってますよ」
ありがたい。その分、地下鉄の中で仕事に没頭。はかどるはかどる 
で、降車駅に着いたところで、はたと気づく。
「前の電車に傘忘れちゃった!」↓↓
若い駅員さんに尋ねると、忘れ物の事務所は駅の反対方向突き当たりだって↓↓
再びIさんに電話を入れ、地下道を全速力。親切な年配の駅員さんが、始発駅に問い合わせ、無事に見つけてくれる。
「よかったですね」「はいっ」
で、また反対方向に全速力。一気に運動不足解消
肝心の仕事も、光が見えてきて、とてもうれしい↑↑↑
帰りは絶対忘れずに傘を受け取らなくちゃ、と、「かさかさかさかさ」つぶやきながら、つつがなく受け取る。ふふっ、やればできる
9時過ぎ、家に帰り着くと・・・あれれ? 鍵がない そんなばかな。玄関先で荷物を広げて探したけれどない  寒い↓↓↓
10時過ぎに塾から帰る予定の娘にメール。
「カギミツカラナイ セブンイレブンデマツ ヘルプ ハハ」
ほどなく娘からレス。
「わかった〜」
頑固に持たせていなかった携帯をついに買ってやったのが、つい一週間前だったのだ。さっそくとっても役に立ってしまった。もう一度、
「ラッキ〜」
・・・
そんなこんなで矢印のプラマイ()を合わせると・・・ ね、なんとなくビミョーについてる、気がする。
息切れしながら駆け抜けた2005年。ひとり反省会を年末にこっそり開く予定だったのに、パソコンとプリンタの謀反にあい、戦いを放棄し、 おせち作りに落ち延びて、はたと気づくと2006年になっていました。
あれ?年賀状は?原稿は?
・・・いやはや。初夢もリアルでこわかったです。

この易きにつく性格を今年はどうにかしなくちゃね。といいつつ、やっぱりらくちんなブログばかり 更新しちゃうのよね。ったくもう。反省反省。
そろそろとりかからなくちゃ・・・と思っていた単行本の編集者からメール。 いきなり「いよいよ大詰め」という書き出しに、目が覚めました。
10月は行きたかった展示をことごとく見逃し、がっかりしたのだけど、11月はもっと悲しいことになりそう。 サイトの更新もままならず、当面、「きょうの絵本」だけ携帯でブログにアップすることにしようかなーと思いつきました。(きまぐれ)
お昼を抜く日や掃除をしない日はあっても(きょうも)、仕事柄絵本を読まない日はほとんどない!というアンバランスな生活なので。 (アフリカ展の後などためてしまって、一日で108冊読まねばならないハメになった・・・煩悩じゃないんだから)
新旧和洋とりまぜて脈絡なく、きょうの気分にひっかかった一冊です。
まずは、手の届くところにあったこれ。ぱしゃっ!
うちのオーブンレンジは、二十年選手。結婚するときに母が買ってくれたのだ。 今時のちょこんとしたやつとちがって、どかんとごっつい直方体。台所の主のようにばかでかくって、冷蔵庫と見まごうばかり(いや、そこまでは・・)。でも、その無骨さがなんだか好きなのよ。
上にはひびも入ってるよ。そろそろ買い替えないと、やばいかなーと思いながら、毎日使ってる。ものを買い替えるのって苦手なんです。 できれば死ぬまで(<レンジが)使いたい。

しかし、レンジ機能を使おうとすると、ひぃーと悲鳴のようなきしみ音を出すのがこまりもの。
ひいぃぃぃいやよぉーいやよぉーつらいのよぉーはたらきたくないのよぉーやめてぇやめてぇー
そうよねえ。若い頃と同じように働けって言われてもきついわよねえ。週末にはお休みだってとりたいわよねえ。
と気持ちわかるふりをしながら、わたしは無情に「調理スタート」ボタンを押す。
甘えちゃダメっ。
ひいぃぃぃいやぁぁぁひとでなしぃぃぃぃぃ
・・・
ふっ。まだまだ働けるじゃないの。
ほら、ジャガイモもほっくり。
・・・
わたしが今週いばれる相手は、オーブンレンジだけ。
〆切日。テキパキと働いてる日に限って、牛乳パックをひっくり返したり、もずくをぶちまけたり、ミルクスープをふきこぼしたり、鍋を素手でつかんだりしてしまうんですけど・・・これってテキパキと言わないのかな。
※今も、ひとりでお箸を二膳(四本)使いながら昼ごはんを食べてることに気づいてしまったよ。
こりこりの頭痛には、ミルクティーとはちみつ飴が、なんとなくほっとしてきくんじゃないかな と思って、びんのふたを開けてみたら、 底に全部合体してくっついちゃってて取れない。
むーーーむーーーと人差し指に力を入れて頑張るけど、一枚岩で頑固に抵抗する、はちみつ飴たち
・・・ふん。人にはね、道具というものがあるんだからね。
ティースプーンを取り出し、てこの応用で、ぐぐぐっと力を入れると
ぱきーん!
きらきらと砕けたはちみつ飴の破片。
美しくて、悲しくて、なんとなく後ろめたくて、ぜんぶ食べた。
かなり自己嫌悪で、仕事に向かうしかなくなった。めでたし。
ケニアから一時帰国した「NGO 少年ケニヤの友」の風間さんを囲んで、中野の創作中華料理の店でおいしい晩餐。
・・・中野といえば「クラシック」。休学していたはたちの頃にバイトをしていた、昭和5年創業の名曲喫茶です。 竹針の蓄音機、ワンカップ大関のグラス、マヨネーズのふたのピッチャー、名物常連客にクセのあるウェイトレス仲間、 マスターの手料理と発明機器の数々・・・忘れられない思い出が濃縮された場所でしたが、 今年の1月に閉店したと聞き、夕べはすこし「おセンチ」になりました。
9月3日から17日まで中央区の「アートはるみ」で開催した「アフリカの絵本原画と児童書展」。 思い出すだけで、はあはあ言うくらい、充実した楽しい2週間(準備と後片付けを入れると、たっぷりひと月)でした。
スタッフがそれぞれの日常に戻って早ひと月 (盛大な遊びのツケを抱え、ひいこら言っているのは、わたしだけではありますまい) 展示や連日のイベントの報告、来場者がのこしてくれたあたたかな感想などを綴った展示レポートが、ようやくかたちになりつつあります。
・・・
この展覧会では、ケニアのエンザロ村図書館に送る本や、ケニアで移動図書館を始めるための寄付金、リベリアの子どもたちの奨学金にするための寄付金を募りました。遅くなりましたが、ここに簡単にご報告させていただきます。
●みなさんから寄贈された英語とスワヒリ語の児童書・・・78冊
これは、会期中のイベント「絵でつなごう!日本とアフリカ」でみんなで描いた大きな布絵といっしょに、9月18日、エンザロ村へ船便で発送しました。
●みなさんから寄せられた寄付金・・・444,940円
このうち335,000円をNGO「少年ケニヤの友」に送り、移動図書館の資金にあて、100,000円をリベリアの子どもたちの奨学金にあてることになりました。 「少年ケニヤの友」へは送金済み、リベリアに関しては高橋邦典さんがリベリアに行く際に持っていっていただきます。 10,000円くらいがまだ残っていますが、それは管理や連絡に使わせていただきます。実際にどう使われたかは、また随時ご報告したいと思います。
※展示の詳しいレポートは、さくまゆみこさんのサイト「バオバブの木と星のうた」をごらんください。
・・・
展示自体スタッフ一同へとへとになりつつも、率先して楽しませていただきましたが(これぞほんとの volunteer!)、こうして気持ちがアフリカにかたちとなって届くと思うと、またうれしさがこみあげてきます。
みなさん、ほんとにありがとうございました!!
茂田井武と絵本についてのニュースを伝えるためブログをこそっと立ち上げました。 ここだと、終わった展示ばっかり書いて、悔しがらせることになりがちだしね。 なるべくマメに気まぐれに更新しますんで、どうぞそちらもごらんください。
・・・
で、ブログにも書いたんですが、11月2日の茂田井さんの命日に、 わたしはなぜだか高円寺の古本屋さん「えほんやるすばんばんするかいしゃ」で一日るすばん(店番)を することに。念願の「古本屋の店主!」(いや、店番だってば)が、かなうわけです(一日ね)。
絵本と児童書専門の小さなお店ですが、掘り出しものあります! わたしは全然コレクターではありませんが、 行くと買っちゃうんだよねー。たとえば、先日は『トッパンの絵物語 アンデルセン童話』 (佐藤春夫・文 初山滋・絵 昭和30年)と1960年代のかわいいフランスの初等教科書。 それに「こどものとも」のバックナンバーとか(長さんの『3びきのライオンのこ』むちゃくちゃかわいい) 、ふつうの絵本とのうれしい出会いも埋もれています。これがね、いいのです。
・・・
そんなわけで、1時から8時までひとりで店番しながら内職してる予定なので(実は〆切てんこもり週だー!)、 茂田井さんのお墓参りの帰りでも(徒歩圏内)、会社帰りでも、ただの冷やかしでも、ぶらりと 寄ってやってね。
「神も仏もないものか」ってくらい、神無月もみるみる過ぎていきますねえ。毎週末仕事が入っているため、なんだか切れ目がないんでした。 悪気がないのに、気づくと〆切が過ぎている・・・いや、それはまずいでしょう。はい。
・・・
今月第三日曜は姫路に行ってきました。姫路文学館の「とびだす絵本展」最終日。親子連れも若いカップルも老夫婦もみんな楽しそうに 展示見ながらワイワイガヤガヤ混んでました。床にすわりこんで絵本を開く子どもたち、「ほら、このスズキコージっていうのは外国の作家なんだよ」と語るお父さん、、、 すごく自由で、なんだかいい展示だなあと感じました。勝手なことを言いたくなっちゃう絵本展って、いいよねえ。
この姫路文学館を含め、姫路には安藤忠雄設計の公共のミュージアムが3つもあるんですね。せっかくですから 「星の子館」に宿泊し 、「兵庫県立こどもの館」にも寄ってきました。
あやしげな名前の「星の子館」は、泊まって遊んで天体観測ができる施設。そして安いんです。子連れだと更に!  子どもにはちっとも見えないけど、りっぱな18歳未満の娘と泊まってきました。
「こどもの館」は、前から行きたいなあと思っていたユニークな県立の大型児童館。庭にぽこぽこと立っている、 子どもたちの絵からおこした彫刻(新宮晋・監修)が圧巻でした。
・・・
第二、第四、第五日曜は三鷹です。30日は、カ・カ・カ・カタヤマケンさんに、インタビューするんだー。 ど・ど・どうしてこんなにどもっているかは、ないしょです。ああ、今から赤面です。
モクセイ(木犀)って、ごつごつした木の皮が、 サイの皮膚に似ているからついた名前なんですって。甘くて可憐な花のイメージとサイの結びつきが、なんだかゆかい。 サイと言えば、去年の9月にケニアで出会ったサイは、まぶしいほどきれいでした。
身勝手な思い込みが砕かれていく日々。そんなのが、生きているよろこびでもありますね。 この秋の気候のおかげで、遅いキンモクセイの香りを楽しんでおります。風邪ひきつつも。
秋冬もなぜだかイベント三昧。「仕事」のページをちょっと整理しました。
●10月19日から、月一回池袋コミュニティカレッジに。「もっと絵本を楽しむための絵本コーディネート術」という 変わった試みの講座です。 少人数なので、受講者ひとりひとりの「絵本のワガママ」をたっぷり聞けそうです。池袋周辺の人、お会いしましょう。
●11月8日からは、パシフィコ横浜のヨーク国際カレッジで 「絵本の世界を旅する」という講座をします。横浜周辺の人、中華街でランチしましょう。
●夏から三鷹には足繁く通ってます。三鷹市の「絵本館構想委員会」の委員と、この秋できたてぴかぴかの三鷹ネットワーク大学で「絵本連続講座」のコーディネートをしています。構想委員会は回を重ねるごとに、ワクワクが高まる珍しい委員会。講座は明日10月9日から。 三鷹周辺の人、肩寄せあって(定員オーバーらしいので)絵本の時間をごいっしょしましょう。
最近見た、いいもの。
ドレスデン展のフェルメール。はたちの原点。やはり。
カフェ・シーモアグラスの しのづかゆみこ展。まつげで触れるような、繊細なまなざし。ためらいと湿り気。

最近した、ふしぎな仕事。
JBBYオナーリスト審査。すんなり。
五味太郎×ルーシー・カズンズの対談の司会。無口な司会。
ビザ・オリンピック・オブ・イマジネーションの審査。ハイヤーの送迎に酔った。

最近読んで、のこった言葉。
「心の声のひびくがままに」
・・・ウルフ・スタルク『聖ヨーランの伝説』より
貴重な体験といえば、幻のもんじゃをはじめ、それはもういろいろあったのですが・・・八ヶ岳と軽井沢に作品返却するために、はじめて業務用のワンボックスカーを運転しちゃいましたー!  レンタカーを借りたときは緊張して、乗るなりクラクション鳴らしたり、サイドブレーキかけたまま発進したりしてお店のお兄さんをびびらせてしまいましたが・・無事ですよ。どうやら車も自分も人も。 (道中は、ほとんど交代してもらってましたからね)

八ヶ岳の小さな絵本美術館では、借用のときは片山健展をやってましたが、 返却時は「神沢利子のアトリエから〜絵本は創るのも見るのも楽しい〜」をやってました。これ、すごくいい展示! 11月28日まで。秋の八ヶ岳に行くべし!
おかげさまで、「アフリカの絵本原画と児童書展」は、波瀾万丈のうちに幕を閉じました。ここ数年ひきこもりがちに過ごしていたわたしにとって、人の力が集まって生まれるパワーのすごさ!を感じ入った貴重な体験でした。 ご来場くださったみなさま、アフリカの子どもたちへのご寄付、あたたかい感想や 励ましの言葉など、ほんとにありがとうございました。 詳細は、また近々ご報告します。
セミが鳴いてる・・・10月に真夏日って、いったい? 時間は経っているのに、季節は移ろいそこなってるような。 夏休みもとりそこなったしね・・・ま、いっか。楽しかったし。
あ、キンモクセイの香り・・・